担当授業リスト


中国文学を学んでいく上で基礎となるべき漢文語法と、中国の詩について、その形式や内容とについて
学習します。
 
前期は、漢文すなわち文言文の語法に関して、文を構成する基本構造について理解し、さらに被動・比
較・疑問などの構文について学習します。
後期は、中国「詩」の成立から、中国文学の精華と称される唐代の近体詩の完成に至るまでを、韻律形
式の変遷について、具体的な作品研究の鑑賞なども並行させながら理解し、ついで中国語における言語
美の可能性を最大限に示したとされる唐代の絶句や律詩がいかなる構造を持ち、平仄の構成が音律上い
かなる効果を発揮するかなどについて学習します。 


今年度のテーマは「古文を読む」ということで、「古文」文体の著名な作品を精読することを通して、 端正な文言文を味わうとともに、その修辞法や語法に関しても理解を深めることを目指します。 「古文」という文体の明確な自覚は唐代の韓愈・柳宗元によって確立されました。漢から六朝時代に掛 けて風靡した四六駢儷文は、文体美の彫琢を追求することに重きが置かれたため、極めて形式に傾き、 内容的に空疎になりがちとなりました。彼らはこの文体に対抗しうる内実と文体的な完成度を備えたも のとして先秦から漢代の散文を再評価し、それを体得することによって「古文」に豊穣な表現形式とし ての可能性を与え、文言文の代表的な文体としました。その作品の代表的なものは、『唐宋八大家文読 本』『古文真宝後集』『文章規範』などに集められ、わが国においても江戸時代以来漢文の教科書とし て学ばれてきました。   授業では、韓愈・柳宗元らの作品を中心にして古文体の代表的な文章を読んでいきます。 テキストはプリントを用いますが、電脳テキストのSJISコード版はこちら、JISコード版はこちらにあ ります。 
今年度の演習は、当初、「古詩十九首」について隋樹森編『古詩十九首集釈』巻二「箋注」という注釈 を通して読解し、鑑賞する予定でしたが、受講生の希望によって唐代小説の陳鴻「長恨(歌)伝」を読 解していくことになりました。テキストは王夢鴎『唐人小説校釈』正中書局に収録のものにより、他に 『全唐文』と『文苑英華』に収録の文、さらに白居易の「長恨歌」についても参照しながら演習を行う ことになりました。 元和元年(806)、白居易、陳鴻、王質夫の三人が仙遊寺において歓談した折、玄宗と楊貴妃との関係に 話題が及び、白居易はそれを詩によって表現し、陳鴻は散文によって表現することになり、その結果、 「長恨歌」と表裏一体の物語として今日に残されるようになったものです。 白居易「長恨歌」の電脳テキストのSJISコード版はこちらにあります。
白居易の「与元九書」を取り上げる。 江州司馬に左遷中の身で親友元[禾*眞]に書き送った手紙であるが、当時の文学の潮流に異議申し立てた ために元軽白俗と評された白居易の文学観が如実に表白されるとともに、文学上の同志でもあった元[禾*眞] への深い思いやりも示され、書簡文学中の白眉でもある。 この書簡文を主として朱金城箋校『白居易集箋校』(上海古籍出版社)所収のものをテキストとし、併せて 『全唐文』と『文苑英華』に所収の文も参照しつつ精読する。また書簡中の言及される作品についても適 宜参照して、白居易自身の制作の意図と実際の作品との距離なども分析して理解を深める。

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