群馬学「はじめに」

「群馬学」の確立――。それが今の私の夢です。
これからどこかにむかって行くためには、いまここにあることの意味を考えなければなりません。外に何かを発信するには、まずは、自分の地域で誇るべき特色は何かを見つめ直さねばならないと考えます。
私たちがいま生きている、ここ〈群馬〉とは何か――。
ことばや文学、歴史、民俗、経済など多方面から〈群馬〉の特色を浮き彫りにしながら、〈群馬〉の来し方行く末を皆で考えていきたいと願っています。
事実、〈群馬〉には興味深いテーマがたくさんあります。例えば、上州弁は西日本と東日本のことばが融合したものだといわれますし、萩原朔太郎や土屋文明などの偉大な文学者を多数輩出している背景には、やはり〈群馬〉独自の文化があると思います。
また、〈群馬〉の経済界には新潟県出身の方が多いと聞いていますが、なぜこの地だったのでしょうか。もしかすると〈群馬〉には異文化と共生する独特な開放性があったのかもしれません。
いまの〈群馬〉を見つめ、これからの〈群馬〉を考える。
かつての〈群馬〉を知り、これからの〈群馬〉の姿を描く。
〈群馬〉とは何かを問うことは、いまここにいる私とは何かを問うことになると思います。
そして、それは、〈群馬〉をひらき、〈群馬〉をおこすことにつながっていくのだと考えます。
多くの人びとの多様な視点から〈群馬〉を考え、深め、そして、広げる。
そこには、豊かで生き生きとした〈群馬〉の姿がたちあらわれてくるのにちがいありません。
この「群馬学」の確立にむけて多くの方々が参加されることを願ってやみません。
群馬県立女子大学長 富岡賢治