龍潭譚・近文研(新生館スタジオ)

☆ひとこと……

「龍潭譚」の上演は珍しい。とはいえ、かなりアレンジしてあります。

千里チャンが人形遊びに倦んでいる、風な出だし。
真っ赤な絨毯とモールとが躑躅を表していると見えなくもない。
千里はしだいに心の秩序を失って行き、〈向こう側〉へ。
髪の毛を逆立てた女―龍?―に引き寄せられ、彼女から生れなおす。
しかし最後は、
千里を失うまいと狂おしく叫ぶ女―彼の姉?―のいる
〈こちら側〉に戻る = 龍の女と彼の姉とが融合する。
……それより前、龍の女は水をかぶっています―洪水?―。

と、原作を読みながら寓意を辿れば、
筋立ては「龍潭譚」に則っていることが分かる。

筋の展開する空間を埋めるのは、情念の舞踏と(意味以前の)声。
真っ赤なモールは大活躍、躑躅にもヘソの緒にも宿命の赤い糸にもなります。
モールアクションとでも。

寓意は辿れるが、セリフで筋が追えるわけではない。
具象と抽象の不思議な兼ね合い。

原作を知らない方には何が何だか分からなかったのではないかしら。
それはそれとして舞踏を味わう、というのが大切なんでしょうね。

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