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2022年6月29日

「持続可能な社会に向けて-SDGsリレー講座-」第5回が開催されました。(6/28)

第5回講義は、「LGBTQの視点とジェンダー・男性優位のメディアの中で感じること」をテーマに、NHK国際放送局多言語メディア部の柳下明莉氏に御講演いただきました。

柳下氏はNHK大阪局で「Culture Crossroads」というNHK World Japanの番組やタイのラジオ放送などを担当された他、「ねほりんぱほりん~"LGBT"カップルの子ども~」や、「バリバラ~自分らしさって?多様な性と多様性~」など、LGBTQやジェンダーに関する番組やイベントに深く関わってこられました。こういった性の多様性に関心を寄せるようになったのは、大学在学中、ロンドンに留学した際に性の多様性に触れた経験による影響とのことでした。柳下氏は自身を女性であると性自認していますが、現地の友人から「明莉は彼氏か『彼女』はいるの?」という質問を受けたことや、レズビアンカップルと子育てについて会話をした経験から、性の多様性を自然に受容している海外の考え方に衝撃を受けたそうです。

講義の中では、「ねほりんぱほりん」の番組作成についてのお話がありました。父親と母親をイラストで表現する際に、男性は青・女性は赤という色分けにならないよう工夫するなど、柳下氏は無意識に誰かを傷つけないように細心の注意を払って、多様性に配慮するよう努めたとのことです。しかしそれでも、番組に出演された当事者同士はお互いを異性として認識していたにもかかわらず『同性カップル』という表現を用いてしまったり、親=カップルという思い込みから、シングルマザーへの配慮を欠いて番組を作成してしまう失敗をしたことなどから、「思い込み」をなくすことの難しさを述べられました。「ねほりんぱほりん」に限らず、家事をテーマとした番組を作成した際には、女性ばかりに街頭インタビューをしていたり、経済成長や社長をテーマにした番組を作成した際には、出演者のほとんどが男性であったりと、男性優位のメディア観には、番組の表に立つ出演者と裏方の作成者の双方に問題があると述べられました。

「『ねほりんぱほりん』でLGBTQやジェンダーの他に、どのようなテーマで企画したら面白いか」というグループディスカッションを行い、学生からは「本日の講演を受けてLGBTQについて興味を持った。他の分野でマイノリティといわれている人々についても企画して欲しい」という意見がありました。他にも「なぜ同性婚は認められないのか」という質問もあり、柳下氏は、令和4年6月20日に行われた同性婚に関する大阪地裁判決を例に出し「同性愛者は愛し合っていても結婚できないという現実に差別を感じる。なぜ同性婚が公に認められないのか私も答えるのが難しい。」と、深く取材してこられた柳下氏でも言葉を詰まらせるシーンがあり、LGBTQには多くの課題があることを感じさせました。柳下氏から、いろんな人に自分が携さわった番組を見ていただき、世間のマイノリティに対する違和感をなくしたり、当事者に自身と同じ悩みを持つ人が他にもいるということを知って安心して欲しいとメッセージをいただきました。

授業の様子①

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授業の様子②

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授業の様子③

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