文学部

文化情報学科【 Department of Culture and Informatics 】

『数学ガール』の著者・結城浩氏をお招きして特別授業を開催しました。

 文化情報学科は文学部の学科ですが,情報やデータ分析などを学ぶことができる学科ということもあり,数学的な考え方を身につけることも重視しています.また近年では,いわゆる「文系学部」でも数学の重要性が叫ばれるようになってきており,数学は単に「理系」の人たちだけのものではなくなってきています.
 このような背景から,8月5日(土)に『数学ガール』などの著作で広く知られている文筆家の結城浩さんによる,特別授業を開催しました.この特別授業には,前橋女子高校,高崎女子高校の生徒と先生のみなさんおよび,文化情報学科の1年生と教員が参加しました.
 授業は「数学ガールの特別授業:構造を見抜くための数学ー「同じ」とはどういう意味か」というタイトルで,図形や集合が同じであるとはどういうことか,という問いをたて,様々な対象にある視点を向けることで,異なる対象を同じものとして考えることができる,という数学においては最も基本的な考え方のひとつの説明から始まりました.
 次に,巡回する順序を通していくつかの対象の間に同じ構造を見出すことができるということが示され,大学数学ではなじみの深い巡回群をしたのちに,それと多項式の間の対応づけまでが実例を通して示されました.これは,19世紀数学の金字塔である「ガロア理論」の導入となるもので,数理科学系の大学では2,3年次に学ぶ比較的高度な内容ですが,ガロア理論じたいには踏み込まなかったものの,現代数学の入り口までスムーズに聴衆を誘ってもらいました.
 授業は2時間弱という特に高校生にとっては長い時間行われましたが,少人数ということもあって結城さんと参加者との対話も交えながらの授業は,時間を忘れさせるほど興味深いものでした.
 参加者には,さらに数学の広大な世界を知ってもらいたいということから,配られたネームカードに,参加者ごとに以下の数学の定理に関する数式のうちのいずれかひとつをあしらいました.
  1. 準同型定理
  2. ケーリー・ハミルトンの定理
  3. ライプニッツの公式
  4. コーシーの積分定理
  5. 連続体仮説
  6. 第2不完全性定理
  7. フェルマーの小定理
  8. 素数定理
  9. ディリクレのディオファントス近似定理
 参加した方は,自分のカードの式がどれにあたるのかをぜひ調べてみてください.
 なお,この授業については,結城浩さんのメールマガジンでも取り上げていただいています.興味のある方はそちらもぜひご覧ください.
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